アメリカのある青年の昔話

「おれは、大都会ニューヨークに出て成功するんだ!」

 
その青年は、アメリカの片田舎に住んでいた。
 
青年は、ニューヨークに出て、大成功をおさめたいという夢を持っていた。
そんな夢を同じ村に住む村人に話した。青年のまわりの村人は全員笑った。
しかし、彼は決してくじけなかった。
 
ニューヨークにある自分の行きたい会社に、自分に対するノルマとして、毎日三通の手紙を送ることにした。
しかし、一日一通しか書けない日もあった。
と思えば、調子よく一日五通も書いた日もあった。
 
とにかく、雇ってくれ。おれにはこれだけの能力と才能がある。
頼む、おれを雇ってくれ。
 
このような主旨の手紙を、彼は毎日のように送った。
来る日も来る日も手紙を送り続けたが、返事が返ってくることはなかった。
 
一ヶ月が経った。
やがて、出した手紙は100通に達した。
 
200通に達した。
300通に達した。
けれども、一向に返事が来ることはなかった。
 
そして、出した手紙の数が374通に達したとき、青年はついにしびれを切らし、
列車に乗ってニューヨークへ向かった。
青年は手元にわずかな額のドル札しかなかったので、貨物列車にしか乗れなかった。
それでも、その列車に乗って、ニューヨークへと向かい、いつも手紙を出している会社にたどり着くことができた。
 
青年は会社にたどり着き、受付で、自分は手紙を書いた者だと申し出た。
 
受付は事情を把握することに時間がかかったが、
 
わかりました。応接室にて、お待ちください。
 
といわれ、応接室にて、会社の責任者が来るまで待っているように言われた。
 
しばらくすると、その会社のすべての実権を握っている社長が出てきた。
社長は、応接室のソファにじっと座ったまま、青年の目をにらみつけた。
そのとき、青年がいままで出した374通の手紙を机の上にどっと出して、言った。
 
必ず来ると思っていた。君は今日の午後からここで働いてもらう。今日からよろしく。
 
それから彼は懸命に働き、大成功を収めた。
青年はついに自身の夢を叶えることができた。
 
 
今回の記事は以上です。
 
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